2015年1月アーカイブ

安定寄りの零細IT会社を作って1年ちょいで得た知見

凡例は多い方がいいのかなと思ったのと幾つか思うことがあったので。

今月で設立からまる4年の零細IT企業を経営しています。
多少の違いはあれど思うことは同じかなと思い凡例として自分の経験をメモしておきたいと思います。
そこそこ似ているところもあるので。

設立以前から現在までのざっくりの状況 経歴
  • 小規模外注でサラリーマンエンジニア3年
  • 独立系金融系SIerで運用エンジニア1年
  • Web系コンテンツ会社のDBA4年
  • ベンチャー2年
  • 独立

コミュニティ活動は積極的に。
Cassandra Summit JPNを主催しています。
まずは1人だけの株式会社を設立。
設立から1年ちょいの間に社員を2人採用。
以後、出入りはありつつ常時3名程度は在籍中。
インターンを含めて最大4名(自分入れて5名)
現時点では受託開発中心で、安定に寄せた経営方針(これも一緒)
業績はボチボチ、倒産の危機とかはない程度には良い(これも一緒)
一応、2ヶ月程度全く仕事無くても倒産はしない位のキャッシュはあります。

とりあえず受託で食っていくために必要なもの

ほぼほぼ同意。
ただ、うちは
「月末締め、支払いサイト60日」
の仕事が多い為、そこそこ体力がいります。
※こういうお客さんは結構多い。

尚、自分の場合起業直後に東日本大震災を喰らったので
それなりに生き抜く為のお金は必要でした。
厚生年金・健康保険は維持したので収入無いのにぶっ飛んでいくお金は大きかったです。

(震災のおかげと言っては何ですが割と精神的にタフになりました。
状況的にはあの時にくらべたら格段に良いですし。)

コネ

「コネがなければコネを作る」
自分としてはこれが全てかなあ。
結局の所、縁で仕事が繋がっていくのは事実として、
しかしながら前の所から仕事を貰っているだけだといざという時に
つぶしが利かないので。

正直失敗も色々ありますし。
(失敗は誠心誠意努力して返していくしか無いのですけれども)

相場・市況感

同意。
後、自分の値付けをしっかりできること、値段の根拠をしっかりと
顧客に説明できることは大事だと思います。
(付加価値は何処にあるのかとか相場にくらべての値段差の説明とか)

ちゃんと仕事を回してちゃんと納品する能力

これは非常に大事なんだけれども、こと社長など経営側に居る場合は
最終的には無理してでも頑張らないとどうしようも無いことがあるのは事実です。
(自分及びメンバーの見積もりミスをどうにかするのは結局の所社長なので)
もちろん見積もりミスが無いに越したことはないのですが失敗の無い人間も居ないのも事実なので。
この4年で2回ほど見積もりミスがあります。
サブ的や仕掛かり的な仕事ほど本命に手を取られてディレクションを回すのが
難しくなるのでそこが課題。

その他雑多な事項
雑務

顧問の社労士が居たり、顧問の税理士が居たり細かいところでは事務所に
清掃業者入れたりとかかなり雑務的には解放されるように仕向けているのですが
なかなか減っていません。一つ減ると新しく一つ増える感じです。
テンポラリの雑務も多いですしね。
最近は社長業の宿命かなとあきらめています。
(一つ一つが小さすぎて事務員を雇うほどでは無いのです。)
(高校の同級に税理士が居たのが暁光。すごい頼りにしています。)

社員を雇うか否か

雑務のほとんどがここに集約するのでいい面と悪い面と。
おそらく気ままにやりたいだけなら本当に雇わない方がいいと思います。

一応、雇用保険・厚生年金・健康保険(但し規模的に協会けんぽだけど)は維持していますし
スポーツクラブの補助(週一回程度であればただで使えます)やClubCCI(福利厚生代行サービス)も加入しています。

メンバーに対しては残業禁止とも言えていますし、
アメリカに連れて行ったりはしているのでそこそこの環境は維持できているのかなと。
ちなみに倒産防止共済は入っていますが退職金共済は入っていません。
(メンバーに「手取り減るけど入る?」と聞いたら入らないと言われたので)
(減る分を上乗せは体力的にまだ。)

就業規則

人数的にまだです。(従業員5名以下は必須で無い。)
ここも課題です。(terurouさんの所のはその内利用させて貰うつもりです。)

役員報酬額

役員報酬は決算後の2ヶ月以内に年総額を決めなければいけなくて
それを一年間変更することができないのでいつも迷います。

キャッシュフロー

支払いサイトと売り上げのタイミングが異なるので複式必須の帳簿が
読めなければ話になりません。その上で取っ払いのお金が発生したりするので
キャッシュフローは大事です。(結構見えにくい。)
社員の給与数ヶ月分をバッファーとして積んでおくつもりで口座に残しておくと
経常利益となりそこから税金をすっこぬかれます。
これが地味に痛い。
うちは初年度こそ赤字でしたが一応2年目以降は黒字にしています。
従業員に給与払えなくなると困りますしね。
(その月の売り上げをダイレクトに給与に回したくないので)

東商リサーチや帝国データバンク辺りには正確に報告しているので興味ある方はそちらから覗いてみてください。
(立ち上げ直後に2社とも直接足を運んでくれたのには驚きました。)

まとめ
この4年間での総括としては以下の通りかなと。
  • 人材大事。
  • 人材難しい。
  • 早く関東IT健康保険組合に入りたい。
  • 受託以外の種まきは必須でずっと撒き続けているけれどもなかなか芽は出ない
こんな感じですかね。 今年もCassandra Conference JPNは開催する予定で準備を進めているので参加頂けると幸いです。

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